開発の趣旨
上下水道、電気、通信、ガス等の鉄蓋は全国に約1500万個もあるといわれています。
これら鉄蓋の維持改修工事には従来工法の四角切断の切断面は垂直切断でありました。交通量が多かったり、地盤が弱かったりする地域では上部からの力によりズレを起こすことがありました。一度ズレを起こした接合面は雨水の浸入を許し、補修部の崩壊につながる事があります。四角切断の問題を防ぎ、なおかつ初期投資の廉価な円形の施工法を開発目標としました。
パラボラ工法の概要
円形球面切断によるマンホール鉄蓋維持修繕の新工法 国土交通省NETIS新技術登録(登録番号:HR-030008-VE 登録日:平成14年1月7日)
- 円形切断用路面カッターに円形球面状のダイヤモンドブレードを取り付け、鉄蓋上に360度回転して表面円形に切断し、無収縮モルタルを使用して鉄蓋の維持修繕作業を行います。
- 単体移動が可能な円形切断用路面カッターは交通規制範囲を狭められ、短時間で施工できる工法です。
- 切断塊の除去は緊結ボルトの切断を行い、破砕機を使用しない、リフターによる剥離撤去が可能な静音工法です。
- パラボラ工法指定のモルタルは1時間後の圧縮強度が10ニュートン以上に達し、悪条件下でも施工が可能です。
- 円球状の切断面は上部からの力を分散させ、補修面との一体化がより可能です。
- 鍋底の原理の円球状切断面は補修箇所の陥没や雨水の浸入を妨げる大きな特徴をもっています。
- 破砕をしない静音撤去・転圧をしない無振動の環境重視の工法です。
特色
転圧工程を不要とし、工事工程、工事期間を削減、短縮できたこと。
円球状に切断した塊を撤去し、アンカー施工で鉄枠を固定し早強性無収縮モルタルを充填する事により転圧工程を省き、養生時間を早め、早期道路解放が出来、交通規制を最小限に出来、理想的な環境への配慮を実現。
1箇所、約3時間以内で施工。
特徴
次の条件で施工できること。
- 円形球面が正確に施工できること。
- 1箇所を3時間以内に施工できること。
- 切断塊を無破砕で撤去できること。
- モルタルは悪条件下でも1時間後に交通開放が出来る圧縮強度に達すること。
- ゼロ擦り付けのフラット仕上げが出来ること。
- 仕上げの転圧工程をなくせること。
環境・エコへの配慮(SDGs)
パラボラ工法が取り組んだのは施工エリアの縮小・破砕音・振動の解決でした。
パラボラ工法の施行エリアは市民生活に密着した地域であることを課題とし、進化しました。
密着度
パラボラ状断面は鍋に蓋をするがごとくに素晴らしい密着性を発揮します。パラボラ状の切断エッジは接着面積が広く、摩擦抵抗が曲線へ分散される為、通行車両の荷重に確実にたえられる円形球面状切断面です。
規制範囲
単体移動可能なカッター、簡略な機材は交通規制範囲を最小限に抑え、昼間施工を、より可能にします。
各種工法
パラボラアド工法
何故、ADD工法が生まれたのか?
「ADD、アド」とは”追加、足す”という意味。
- 古い蓋は磨耗やクラック、ガタツキが発生!!
- ボックスがヒューム管!!
- 新しい蓋は古い蓋より蓋径が小さい!!
ADD工法とはどのような工法なのか?
- パラボラカッター
- ADDカッター
- レジンアダプター
- ネオフィット(超速硬性無収縮モルタル)
これらをを使って古い鉄蓋から新しい鉄蓋へ交換する施工方法。
今まではどうしていたのか?
- ヒューム管を撤去して新しいレジンコンクリート製ボックスを入れ替え!!
※広い掘削幅と施工時間を要した。 - φ700ヒューム管の中にφ600のレジンコンクリートを下部から立ち上げる!!
※しかし、いずれも時間と費用の掛かる工事であった。
このような事からADD工法が考えられた!!
ADDカッターは熟練の技を要さない!!
これまでは筺の内部から人力のハンドカッターで切断しており時間も掛かり、水平切断は不可能であった!!
- ADDカッターは誰もが安全、簡単、正確に切断可能!!
- ADDカッターは筺内部のバルブを取り外さなくても切断可能!!
- ADDカッターは軽量で扱いやすい!!
アド工法の施工手順
ADDカッターの仕様
機械名称 | アドカッター |
---|---|
型式 | AD-700 |
電源 | 100V, 15A |
寸法 | 64.5L×53.5D×48H |
重量 | 21kg |
使用ブレード | 205mm |
冷却方式 | 重力注水式 |
切断厚 | 65mm |
切断径 | 600~800mm |
切断高 | 170~250mm |
パラボラサイレント工法
パラボラサイレント工法の開発
パラボラ工法が世に出て20年目を迎えます。円形球面状に切断する事に新技術としての脚光を浴びてまいりましたが、それだけに留まらず、さらなる進化を遂げなければなりません。
私達の施工ヤードは市民生活に密着した生活道路に存在しています。
市民生活の環境を害することの無い工法としてパラボラサイレント工法を提唱します。
パラボラサイレント工法の特徴
- 静音性の機械で鉄蓋周辺を切断します。
- 破砕は行なわず、油圧分離機で撤去します。
- 分離した切断塊は自社処分場で破砕処理します。
- 充填材、表層材は無転圧で施工します。
- 全体の工程で音、振動、騒音を極力排除します。
- 短時間施工に努めます。
- 排出ガス、排出汚泥等の問題を最小にします。
静音切断
防音型パラボラカッター
内径切断機
NK-600 3箇所の緊結ボルトの切断
油圧分離機
スプリッター S-600 切断塊の分離
分離撤去用リフター
切断塊のリフトアップ
スプリッターに連結してリフトアップ吊り上げ
切断塊の処分はヤードで
切断塊は運搬撤去し、自社処分場で破砕処理します。
充填材・表層材は無転圧で施工
コテ仕上げ等で転圧騒音を無くします。
環境への配慮を最優先に
- 騒音・振動等の公害を最大限排除
- 車両・機械・発電機等のエンジンの排出ガス削減
- 排出汚泥の処理
- 短時間施工
- 精度の高い施工
- 安全性の確保
- 現場施工の事前打ち合わせ
施工手順
パラボラサイレント工法のメリット
- 静音施工としてのアピール
- 短時間施工での経費メリット
- ハツリ作業を大幅に省けたメリット
- 類似工法との差別化が図れる
- 作業環境のアップ
◎パラボラ工法イコール“サイレント工法”としてのイメージ戦略を中心に展開を進めます。
パラボラセミドライ工法
パラボラ補強用短繊維工法
モルタルへの金属製の混合物に対してポリプロピレン製の短繊維補強工法があります。
コンクリボーンの使用方法
- 補強用短繊維コンクリボーンの混合比率はネオフィット1袋に対して最大120g。
- 材質はポリプロピレン製で攪拌羽根に絡みにくい。
- 攪拌して下部に沈殿することがなく、均一な配合になります。
- 地盤の軟弱な地域においてもモルタルの割れを防止。
円形復旧工法
ガス、水道等の生活供給管接合工事のコストダウン・安全・環境向上
生活供給管工事とは
道路に埋設された上水道、ガスの本管から家庭へ管をジョイントする工事です。
従来工法
- 四角切断と狸堀による管接合が中心!
- 従来工法の問題点!
- 四角切断では仮復旧、本復旧の2工程が必要。
管工事による仮復旧工事が行われ、後にさらに大きく四角切断を行い本復旧の2工程で行われ交通障害、工事費用の高額が問題であった。 - 狸堀による構造物の損傷。
U字溝、塀、路盤、庭の陥没の可能性が高くトラブルが多かった。
- 四角切断では仮復旧、本復旧の2工程が必要。
円球復旧工法とは!
この機械の組み合わせで施工します。
施工手順
工法の特徴
パラボラカッター・SPC-900型
機械メーカー | セーブマシン | エンジンメーカー | 富士重工 |
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型式 | SPC-900 | 型式 | EH-17-2D |
ブレード径 | 27mm | 種類 | 4サイクル単気筒 |
ブレード回転数 | 3600rpm | 排気量 | 172cc |
切断深さ | 100mm | 出力 | 4.0ps/3600 |
ブレード却 | 重力注水式 | 使用燃料 | 無鉛ガソリン |
走行方式 | 手動式 | タンク容量 | 3.6L |
水タンク量 | 14L | 始動方式 | リコイル式1 |
切断径 | 780 mm 900mm | 点火プラグ | B6HS |
直線切断 | 可能(ブレード替えて) | 燃料消費率 | 230g/ps-hr |
切断方式 | 切り上げ式 | 燃料消費量 | 1.2L/h |
寸法 | 1020×480×750mm | 騒音値 | 75db(A) |
重量 | 83kg | 気化器 | フロート式 |
Sモール 50型
機械名称 | アドカッター |
---|---|
型式 | AD-700 |
電源 | 100V, 15A |
寸法 | 64.5L×53.5D×48H |
重量 | 21kg |
使用ブレード | 205mm |
冷却方式 | 重力注水式 |
切断厚 | 65mm |
切断径 | 600~800mm |
切断高 | 170~250mm |
電動機 | 特殊インパクト |
---|---|
電源 | 100V |
電圧 | 15A |
重量 | 5.2kg |
トルク | 610N・m |
使用率 | 50% |
ロッド | 50φ×400mm 10本(4m) |
最大貫通距離 | 4m |